TVドラマ「スマイル」脚本家「宅間孝行」2011/07/02 20:45

 宅間孝行さんは、2009年4月17日~放映のドラマ「スマイル」の第1話から第9話までの脚本を担当した方です。

 最後の2話、篠崎絵里子さんに交代しました。一人の脚本家が全話を担当する事を前提にスタートしたドラマとしては、これは極めて異例の事だそうです。
 視聴率が低迷したため(低いときで7.1%)に、脚本の内容の変更を求められた宅間孝行が、「内容を変更したら自分の作品ではなくなる」と言い、自ら降板したためだそうです。宅間孝行さんが構想していた最終回は、実際に放送された物とは正反対の内容だったと言そうです。

 今日、朝日新聞でこの宅間さんの考えていたことと繋がる記事が出ていたので書き留めます。

**** 朝日新聞 be より(紀伊国屋書店 市橋さんのコメント) ****
 小説「阿Q正伝・狂人日記」で日雇い仕事をして生計を立てている男は、家もなく、容姿も醜いため、いつも村人から馬鹿にされていた。だが、自尊心が強く、どんなにののしられ、なぐられても、「常に自分が勝利している」と考える独自の思考を持つ男。この男が、最後は無実の罪を着せられ、銃殺刑にされる姿を、現代社会に投影して読める。

 「底辺に生きるものへの冷ややかな視線は、時代や場所が変わっても再生産されるものだと感じた」(市橋さん)
**********************************************************

 これを読んだとき、脚本家宅間さんが書きたかったもの、言いたかったものが分かった気がしました。主人公が偏見などにより、無実の罪を着せる冷たい部分を持った社会。彼は依然として変わらないこの社会に怒り、この脚本を書いたんだと思います。もしかしたら、彼の周辺でこういうことが起きたのかもしれない。彼の本で最後まで見たかったです。
 ただ、ああいう松本潤くん、見たいファンはいないと思います。放映時間を深夜枠にして、イケメンさんじゃない人でやったら結果は違ったと思います。かっこいい人は、容姿を生かした役で見たい人が多いと思いますから。
 ヘビーそうなあらすじだったので、見なかったんですが、このドラマに出ていた小栗くんが「林誠司役、すっげえおもしろかった。」とインタビューで言っていたので見ました。確かに見るのはつらい内容でしたが、脚本家さんの心意気感じられてよかったです。