舞台「髑髏城の七人」 感想2011/10/05 12:30

青山劇場 I 列 1番

がっつり12:30~16:00までの舞台でした。(休憩20分含む)

 舞台にプチ花道があったので、役者さんがすごい近く!!!
 すべての役者さんが全力で作り上げた舞台、とっても楽しめました。歌舞伎発祥のころは、歌舞伎ってきっとこんな感じに軽快だったのではないかと思ってしまいました。今回は、勝地くんがいっぱい見得をきっていましたね。

 既に観劇された方のHPで、以下の点を強調されていましたが・・・

1.早乙女太一の殺陣は芸術的、スピードがあり華がある。彼を目当てに行ったわけではないけれど、目が彼を追ってしまった。
2.小栗くんの殺陣が早乙女くん、森山くんに劣る。

 私が実際に観劇して思ったことは

1.森山くん、個性的な天魔王に仕上げてるなぁ。この台詞、こう言うのぉ?というくらい作りこんでいた。笑っちゃいました。

2.小栗くんの声のトーンが、私の知っている彼の声より高かった。マイクのせい?殺陣は大分頑張った様子、早乙女くん、森山くんに負けていなかったと思いました。彼らしい殺陣だったと思う。

3.勝地くんの兵庫、すっごく良かった。一本木で思わず手を差し伸べたくなる兵庫。声も前より良い声になった気がする。アクション部分もだいぶ頑張ってましたね。

4.河野まさとさんの三五、彼だから作り上げることのできたキャラだった気がする。裏切りを繰り返す嫌なキャラのはずが、ぜんぜん憎めない・・・。っていうか、笑えた。

5.高田聖子さんの贋鉄斎、えぇ~女の人がやるのぉ、と思っていたけど、蓋を開けてみてビックリ。こんなキャラになるのかと・・・。板の上で身悶えしていたのは、演出段階で追加になった部分なのか、アドリブだったのか分からなかった。笑えました。

6.早乙女くん、冷静な蘭兵衛というキャラを作り上げたのか、地なのか分からないけれど、台詞回しが淡々としていたせいか、前半台詞が聞き取りにくかった。でも、太夫に撃たれても、最後まで天魔王を庇うシーンは良かったでした。信長を慕い、ともに最期を遂げることができなかった悔しさや、信長を失った後、どう生きてよいのか悩んできた感じが出ていました。

7.仲さん、ずいぶん頑張っているのだろう。大分喉をやられていましたね。

8.小池さん、頑張っていましたね。しかし、残念ながら、ぜんぜん色っぽさが出ていなかった。太夫なら立ち姿、振る舞い、物言い、歌舞伎などからもう少しいいとこ取りして欲しかったです。まあ、これも好みの問題なのでしょう。


 とにかく、劇団☆新感線の脇固めが素晴らしかった。
 小説「髑髏城の七人」から、役の名前や、御柱衆の呼び名、その他いろいろな設定、随分変わっていましたね。
 小説では忍びの小太郎と捨之介こと小太郎との会見シーンがあったけれど、ばっさりカットになっていた。太夫が兵庫に惚れるシーンもカット。御柱衆が信長に”ましら衆”と名を変えて報告されたいきさつや、御柱衆や雑賀衆が秀吉に追われたことも、雑賀衆と蘭兵衛が一緒に行動することになったいきさつも省略。中島さんが、「小説なら書けるものを」と書いたものであったことを再認識。小説を全部こなしていたら、あまり長すぎて舞台として成立しないもののねぇ。
 戯曲本を読むと、磯平のあの瀕死の白鳥のシーンは演出で追加されたものらしい(笑)。あれ、すごく笑えました。兵庫の「くんろ」→「苦労(くんろう)はかけねぇ」と言い直すのも演出での追加みたい。あと、本物の鳩が出てきたのは驚きました。

 小栗くんは本のインタビューで「森山くんは天魔王にも笑いを入れたいみたい」とあったけど、小説を読んでいる限り”どこに笑い?”とツッコミを入れたくなるキャラだったのだが、観てビックリ。なんて強烈な天魔王・・・。森山くんは、映画「モテキ」のインタビュー時期と被ったせいか、「髑髏城」のインタビューが本当に少なくて、残念でした。彼の天魔王という役に対する考え方をもっと知りたかった。

 全体として、それぞれの役者の個性が粒だった良い舞台でした。それぞれの俳優にしかできないキャラというものが出ていた気がします。劇団☆新感線の舞台を通しで観たのは「IZO」以来という偏った目線ですが・・・(笑)。

追伸1:(削除)
追伸2:森山くんはやっぱりダンスが見たい。扇子で伊賀の忍びを倒すシーン、もう少し扇子を投げて取ってといった動きがほしかった。っていうか、自分で出来もしないでリクエストするのも何なんですが・・・。早乙女くんの扇子を使った舞があまりにすごいので、つい・・・。2月の森山くんのチケット取れるといいなぁ。

Nya's Manorさんのレポ、なるほど~と読ませていただきました。