映画「13人の刺客」 感想2011/11/20 20:42

映画批評○×さん、お勧めの映画だったので観てみました。

 すごく良かったです。
 ひたすら悲劇なのかと思いきや、脚本の笑いや、カメラアングルの個性、日本家屋の特徴である夜の暗さや障子越しの明かり、和蝋燭などの小道具のこだわり、監督が見せたかったであろう殺陣の場面。色々な点で面白かった。
 お話自体は厳しいものだけれど、それに感情移入せずに、監督、カメラマン、道具担当のこだわりなどに目を向ければ十分大丈夫な映画でした。
 古田さん、やっぱりいい声だなぁ。抜きん出ていた。あの話し方は、映像だと好みは分かれるかもしれないが、私は好き。
 そして、伊勢谷さん、何だか彼に似ているなぁと思いはしたものの、まさか・・・と思っていたのですが、後でキャストを見てびっくり。やっぱり彼でした。身体軽いなぁ。そして、映画の中の彼は幼い青年に見えた。TIFFのカーペットを歩いていた彼とはまったく別人でしたね。
 単純に勝負にこだわるなら、もう少し屋根からの攻撃を多くして、敵を減らした後で刀勝負に出ただろうに、殺陣を見せたかったのだろう。「7人の侍」を思い出してしまった。
 舌を抜かれた女は、シェイクスピアの「タイタス・アンドロニカス」を想起させた。
 いずれにせよ、これを観たら、同監督の映画「クローズ」観ても大丈夫かもしれないと思いました。ただ暴力的なだけでは、心が受け入れきれないと危惧していたので・・・。