舞台「百年の秘密」 感想2012/06/09 17:00

りゅーとぴあ 4列22番

 とっても見応えのある良い舞台でした。
 まず、舞台の使い方が面白かった。ぐるりと壁面で囲み、壁面には多数の窓と扉。中央には大木。舞台上には屋内用のソファとテーブル、屋外用の椅子とテーブルが置かれ、時代が変わるごとに配置を少しずつ変えていた。
 同じタイミングで屋内と屋外が表現されるので、同じ舞台に立っていても屋内の人間は屋外の人間を認識しない。逆もまた然り。
 具象の舞台装置は好きではないのだけれど、不思議とケラさん演出の舞台ではそれを感じない。ファンタジー性のある装飾というか、他と何が違うのか分からないけれど「東京月光魔曲」「黴菌」「百年の秘密」どの舞台装置も好き。

 お話は、ケラさんのつぶやきから年代が交錯し、複雑なようだったので、戯曲を読んでから観劇しました。なので、戯曲を読んだときの屋内と屋外の場面転換の多さや、時代の表現など、演出上の疑問を抱えたうえで観ました。結果は圧巻でした。ケラさんの舞台の映像の使い方、独特で大好きです。
 人は生まれて、いろいろ経験して死んでいく。昔からその繰り返しなんだよといっているような舞台でした。
 個人的には、あの木の声を表現した音はなくて、観る側の想像に任せたほうが良かった気はしました。

 大倉さん、背は高く顔は小さいし、手足は長い。本当に舞台栄えのする役者さんです。
 彼を見ていて思ったのが、役者さんの人選について。この喋り方や仕草をするのは、大倉さんならではだということ。ほかの役者さんがやったら、他の話し方や仕草、ともすると人間性まで違って見えるかもしれない。
 役者さんは容れ物で、そこに役が入るのだとは思うけれど、どういう人物造形をして欲しいかが決まっていれば、自ずと出演して欲しい俳優って決まるのかなと思ってしまった。
 今までは、役者さんは別の人になるのだから、容姿や声以外、そう大きな違いはないのではないかと思っていたのだけれど、やっぱり誰が演じるかはとても大きな問題なのだと改めて思いました。

 最後、アンコールにケラさん登場!!!!
 すっごい、すっごい嬉しかったです。

コメント

_ manicure ― 2017/05/04 14:34

Thanks for sharing your thoughts. I truly appreciate your efforts and I
am waiting for your further write ups thanks once again.

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://sairam.asablo.jp/blog/2012/06/09/6474527/tb