舞台「春琴」 感想2013/08/03 14:00

世田谷パブリックシアター 14時 1階O列31番

 今回はチケットなかなか取れなかった。再演なのに取れないというのがさらに期待を増幅させた。 本当は夜の回も観たかった。しかし、3階立ち見しかないと言われ諦めた。
 会場には渋谷駅のアナウンスがずっと流れていて、現代の日本人が失ったものが観終わった後にずしんときた。影、闇を明かりで消してしまった現代を。
 とてもとてもマクバーニーさんらしい演出だった。棒は襖、木の枝、三味線などに、畳は襖、廊下に見立てて使われた。素晴らしかった。外国人か好む演出だと思った。やっぱり、日本的なものって魅力的なんだと思った。金閣寺に通じるところがあった。
 こいさんが幼少の頃はパペットを使い、声を深津さんが、操作は他の人と共同でしていたのだが、声といい人形の操作といい本当に素晴らしかった。首藤さんの舞台の時の鶴が今一つだったので、よくぞここまでと驚いた。
 そして、脚本である。ベースは確かに谷崎潤一郎の「春琴抄」だったが、現代のラジオドラマで立石さんが語るという斬新さ。谷崎本人が出てきたりで、とにかく演出で見せた舞台だった。いい役者さんが多いのだから、もっと役者を生かして欲しくもあった。少しばかりもったいなく思った。

 ただ、総括してみれば鳥肌が立つくらい良い舞台だった。
深津絵里さんの 2009/2/5 インタビュー