舞台「冒したもの」 感想2013/09/27 14:00



@吉祥寺シアター 2列センター

舞台の上が簡素でとても良かった。そして、松田龍平という俳優が素晴らしいことが分かった。得体のしれない、それでいて、今ひとつ掴みどころのない彼がいてこその舞台だった。
訥々と話すあたり、箱の大きさも丁度よかったかも。大きな箱だと、あの変な雰囲気が伝わったかどうだか。
最初は、なんの問題もなく見えた人たちからあぶり出される色々。今、生きているという実感の乏しい青年。彼と現実を切り離していたものは何だったのか。
最後、田中さんの私は、生きる決心をして終わる。それも、松田くん扮する青年によって。長塚さんらしい戯曲の選択だった。