舞台「ふくすけ」 感想2012/08/11 14:00

@シアターコクーン M列15番

 まずは演出。大人計画さんらしい舞台装置、というか松尾さんらしいと言うべきか。
 全体的にこの社会、この世の仕組みみたいなものに対する若い頃の松尾さんの怒りがストレートに現れた戯曲だという気がしました。生まれてすぐにある不平等、不条理、誰にでも訪れる死は平等。誰でも親は選べないし、身体的な差、家庭の差、地域性いろいろな不平等や事故などの不条理。では、なぜ生きるのに宗教が必要なのか。信仰だけでは足りないのか。盛り沢山な舞台でした。特に答えはなくてもいいと思うし、エネルギーに溢れたいい舞台でした。
 笑いの要素をところどころに散りばめ、重い内容をそうと感じさせない演出でした。

 役者さんでは、阿部さんの長台詞と古田さんの佇まいがよかった。古田さんの純愛、サラサラストレートの髪がよくお似合いでした。それにしても、古田さんの声っていいなぁ。やはり役者さんには合う戯曲と合わない戯曲があると実感した。
 大竹さん、他の舞台のDVDでの印象から感情を外に放出し放題の感じに苦手意識があったけれど、生は良かったです。とくに最初。とにかく訴訟しまくる柄の悪さが笑えました。声の通りもよく、やはり良い役者さんなのだと思いました。
 多部ちゃん、今年2本目の舞台は嬉しかったです。声の通りは、サロメの時に認識済みだったので、今回はどんなキャラなのかに注目。しかし、売春を生業にする役とは驚きました。顔が小さく、バービー人形のようなバランス。最後の「延長しようよ~」の台詞が良かったです。

舞台「サロメ」 感想2012/06/16 13:00

新国立劇場 中劇場 15列29番

 戯曲は、図書館で借りて読んでみたが、いったいこれのどこが人を惹きつけるのかさっぱり分からなかった。ただの、オドロオドロしただけのお話にしか感じられなかった。

 舞台は、前9列を潰し、舞台との間にお濠のようなスペースを作り、舞台の下を牢屋にしていた。下には少し水が張ってあり役者がそこを歩くたび水音がした。客席側の目の前にも50cm程の土手を作り、お濠からそこへ上がる階段が作ってあった。舞台側との行き来にはプールのような梯子が舞台上手に据えてあった。
 ヨカナーンは、基本お堀の牢屋。お濠にいる時の台詞は、マイクでエコーを効かせ、居所を強調していた。
 舞台の上部には、斜めに大きな鏡が据えてあり、まるで人間の有様を俯瞰する視点をもたせているようだった。
 舞台と影絵を映し出すスクリーン、シンプルな家具があるのみ。

 いやぁ~、最初から最後まで息をもつかせぬ展開。あのサロメなら、最後のあのセリフが腑に落ちる。生娘が恋する男の生首を所望する。阿部貞を連想させた。
 多部ちゃん、分別臭い地声、あどけない猫なで声、そして威嚇し怒鳴り散らす声。とにかく声の表情の変化が素晴らしいかった。声もよく通っていた。
 戯曲にあったのは、それ以外にも宗教、人種、身分階級など様々なものが書かれていた。舞台に現されたモノを観て、初めて分かった。
 青白い月の光、最後の血の色、素晴らしかった。宮本さんの演出、平野さんの戯曲、キャスト、その他全てにおいて本当にすごかった。

 上演時間は、1時間40分。あっという間だった。客層は、私が今まで経験した中で、一番男の人が多かった。男女比率は半々かむしろ男の人が多かったかもしれない。

◆稽古場レポート 「おけぴネット」
◆多部未華子インタビュー 「朝日新聞どらく」
◆麻実れいインタビュー 「朝日新聞アスパラクラブ」
舞台写真

舞台「サロメ」 プレビュー2012/06/01 22:33

新国立劇場「サロメ」公開舞台稽古&囲み会見レポ

twitter で、高野しのぶさんが
 「宮本亜門演出、新国立劇場「サロメ」初日鑑賞。四人の帰り道で賛否は真っ二つ、だったかな。私は賛。最期に向かってサロメの愛にグッと絞られていく。多部さんが良かった♪ 二時間ないので休憩なし。これでもか!ドーン!ダーン!と一気に観られるのもいいかも。ただ、好き嫌いは分かれますね(笑)。」
と、つぶやいておられた。

平野啓一郎さんのつぶやきはこれ。
 「舞台『サロメ』初日。今日は、難しい役所のヨカナーンを見事に演じていた成河さんが特に印象的だった。ところで、ワイルドの『サロメ』は、その短さ故に、なかなか上演機会に恵まれないと言われる。今回は1時間40分。むしろ、堪え性の無くなっている現代人には、丁度いい長さでは?」


 上演時間は、1時間40分。上のつぶやきで短そうなのが判明したので、まさかの2本/1日観劇決定!
 宮本さん演出と長塚さん演出、頭の中が処理しきれるか心配。

「ピクニックの準備」2011/06/25 18:00

「夜のピクニック」のスピンオフ。登場人物9人+1人の短編です。

 その1 「おまじない」 杏奈編 : 監督 長澤雅彦
 その2 「告白」 さくら編 : 監督 渡邊孝好
 その3 「序奏」 高見編 : 監督 下山天
 その4 「願い事」 千秋編 :監督 井坂聡
 その5 「シナリオの行方」 梨香&忍編 :監督 宮野雅之
 その6 「おかいもの」 亮子編 :監督 鶴田法男
 その7 「むりっぽい」 貴子編 :監督 長澤雅彦
 その8 「ひみつ」 美和子編 :監督 宮野雅之
 その9 「はてのない」 融編 :監督 長澤雅彦

 テレビで放映したらしいですが、その頃は全然知りませんでした。
amazonで評価が高かったので、買ってみました。
 amazonでは中古品がべらぼうに高値で・・・。結局TOWER RECORDで新品買いました。正直、レンタルがあったら、そっちで済ませたかった。

 まず、画質の悪さに驚きました。この画質で売るか~って思いました。パソコンで見るにはかなりひどい。
 でも、その4 千秋編、お願い事をしに神社に行ったのに、神主さん不在でヤンキーの息子が応対するコメディ。こういうの、大好き(^o^)。
 その5 梨香&忍編、おもしろかったです。梨香が忍に告白するために、夜行祭の前日「相談がある」といって忍を呼び出す。しかし・・・。結果、笑いました。梨香(貫地谷しほり)、いい味出してました。忍(郭智博)は、本編でも十分印象に残っていたんですが梨香は出番少なかったので、このサイドストーリーは良かったです。

「フィッシュストーリー」感想2011/06/17 20:54

 フィッシュストーリー(2009年3月、ショウゲート) - 麻美 役

 いやはや、久しぶりにこういう映画を見た気がしました。
 いろいろな時代、いろいろな人たちの接点(?)が最後に分かって、えぇ~、こう来るか?という感じでした(笑)。さすがフィッシュストーリー(ホラ話)。
 多部ちゃん目当てで観たんですが、彼女の出番自体はとても少なかったですね。でも、映画としては楽しめました。
 微妙なトーンの映画の始まりに、最初このまま観続けようかどうしようか迷ったのですが、結果、全編を通してのあり得ない繋がりと結末にびっくりしました(大笑)。

 森山未來さん、こんなところに出ていたんですね。舞台「TANGO」に出ていた方ですね。録画したの、まだ観ていないのですが、この映画を見た後なので少し楽しみ。

 いつものことながら、映画を見る見ないを決めるとき、この方のHP参考にさせていただきました。

「夜のピクニック」 感想2011/06/15 19:11

夜のピクニック(2006年9月、松竹・ムービーアイ)- 主演・甲田貴子 役

 あらすじは、題名のリンク先に譲ります。
 原作は未読でこの映画を観ました。
 映画の中で出てきた台詞、「あいつには足りないんだよ。青春のゆらぎっつーか、きらめきっつーか、若さの陰みたいなの。臭くて、惨めで、恥ずかしくて、みっともないもの。そうだよ、愛だよ、愛。」。この台詞、最高って思いました。

 多部ちゃん、やっぱり笑顔がいいです(o^^o)。

 過ぎた時間は後戻りができない。

 自分の高校時代「勿体ない過ごし方をしたかもしれないなぁ。」と思ってしまいました。中学から今に至るまで、人間関係を築くことが下手で、感情のコントロールも下手で、自己嫌悪ばっかり。それでも、どんなに自己嫌悪で生きているのがつらく感じられても、周りと意思疎通を図る。人は1人では生きられない。そして、誰も自分の代わりになれない。そんなことを考えさせられました。

 過去は決して再度経験することはなく、”今しかない時間ってすごい”と思いました。

 この映画の中の皆は、とても一生懸命で、精一杯生きているって感じが出ていました。映画の最初は少しつかみが弱かったけど、後半一気にグッときました。
 確かに物語の起伏は弱い。だから、映画にするのはとても難しかったのではないかと思いました。派手なアクションも、びっくりするような華やかな画面が出てくるわけでもない。ただ、淡々と歩く。好き嫌いは分かれると思います。でも、私は映画として、そして多部ちゃんのキャストで観れて良かったです。

 追記:遊佐美和子役の西原亜希ちゃん、「花より男子」の後も似たような役してるなぁと思っちゃいました。

ここのサイトもcheckしました。

「HINOKIO」感想2011/06/10 23:08

 WOWOWの”2010演劇プルミエール”で、一瞬だけ2010年の舞台「農業少女」が出てました。徳永京子(演劇ジャーナリスト)さんが2010女優賞候補として多部未華子ちゃんを推してくれたおかげです。
 そこで、顔が小さく、ありえないプロポーションの多部ちゃんが腕を交差して足を上げるダンスをしているシーンが一瞬出ました。体の切れはいいし、声も出ている。いい女優さんだなぁと興味を持ちました。

 来年の「サロメ」チケット確保がんばります!!

 その後、映画「君に届け」で、あれ、この間の「農業少女」の人?と興味に火がつきました。
 現在、多部ちゃんが出ていた作品をさかのぼって鑑賞中です。


HINOKIO(2005年7月、松竹)- 工藤ジュン 役

 ロボットの形、色、動きが出色。このデザインした人、天才!って思いました。
 amazonのDVD紹介ページに「驚くのは、CGのリアルさだ。ロボットのモデルによる実写部分もあるが、走る、ドラムを叩くなどヒノキオの複雑な動きがあまりにもナチュラルなうえに、背景との違和感がほとんどナシ。表面の質感や微妙な影も完璧に再現され、どこまでがCGなのか判別できないほどだ。」とあるとおり、どこをCG処理しているのか分かりませんでした。

 多部ちゃん、若いなぁ。6年前・・・。

 他の人が、この映画はラブストーリーなのに、父と子の絆までいれちゃって容量オーバー」と書いていたけれど、あの年代なら親子関係は家の外に出るために必要な話だと思いました。
 小学生の設定ですよね。サトルはどうして外に出れなくなったのか。そこがきちんと描けないと、話として成立しない気がしました。父との葛藤があったからこそ、ジュンや他の子との接触により父と向き合うことを考える過程や、外へ出ようとする気持ちの変化に動機づけがはっきりしていると思えました。
 ゲームと現実がリンクし、笛を拾った後の妄想なんかは、ゲーム好きな小学生ならアリだと思いました。そして、ゲームと現実のリンクについては、この映画がファンタジーであることを考えれば、それもOK。
 だから、私としては、この脚本にとても納得できたし、心のほんわかとするとても良い映画だなと思いました。

映画「君に届け」感想2011/05/29 15:00

君に届け(2010年9月、東宝) - 主演・黒沼爽子 役

若山勝彦さん(映画批評OX)

でランキングが高かった「君に届け」を見ました。

 昨年、この映画のPR画像を見たとき、若い子向けの映画だと思って見るつもりはなかった。
 しかし、昨年舞台「農業少女」で高評価の演技をした多部未華子ちゃんが出ていることからも気になり、観てみました。

 すっごく良かったです。原作の漫画は読んでいませんが、そんなこと全く気にならないくらい見終わった後ほっこりできました。ただ、ARATAさんがあの先生役だったとは全く気がつきませんでした。うっそ~ん!あのピンポンのARATAさんが・・・。と驚きました。
 生田斗真くん狙いで映画「ハナミズキ」も観たのですが、観終わった後の感動は雲泥の差。一体どこにそれほどの差があったのかと思うくらいだった。

 役者さんの演技だけでは映画は成立しないのだということを実感しました。脚本、カメラ、音楽、その他いろいろな要素が重なってひとつの作品になっていることが実感できました。

 ただ、はっきりしていることはこの作品を高ランキングで注目させてくださった若山さんのHPへの感謝。本当にあの評価は分かり易く、見終わった後でもウンウンと納得できる記載でした。
 あとは、自分のボキャブラリーの貧弱さを実感するのみ。


 この映画を観る機会を得られて本当に良かったです!!


ちなみに、嫌いなジャンルは以下のとおり
 ホラー、暴力もの、エロすぎるもの
好きなジャンル
 コメディ、ほっこりできるもの
 「ピンポン」「博士が愛した数式」

よって、あくまでも個人的な感想です。