映画『劔岳 点の記』 感想2011/12/30 19:10

 『劔岳 点の記』の製作ドキュメンタリーを最初に観た。天候に左右されやすい山での撮影の厳しさが出ていて、とてもすばらしかった。怪我人が出たのに、撮影続行するべきかどうか悩む監督に向かって、その怪我人が「もともと危険は承知のこと。監督、必ず映画を完成させてください。」と言ったのがすごいと思った。この映画、公開時ヒットしたようで、監督やスタッフの努力と心意気が実ったのが分かってうれしかったです。
 映画は製作ドキュメンタリーの後に観たのですが、ドキュメンタリーの方が良かった。たった一瞬の撮影のために、何度も登山を繰り返したり、霧が晴れるのを何時間も待ったり、古傷が痛み出した俳優のために下山するように脚本を書き換えたり、執念がなければ撮れないと思えるシーンが満載だったのに、映画にはその執念が写っていなかった。綺麗過ぎた気がする。映画の中で言うなら、観測するための隊員の執念が描き足りない気がした。一番の減点は、不要なクラシック音楽。はっきり言ってうるさかった。あんな音を入れるくらいなら、岩や雪を踏む音を入れて欲しかった。
 原作本があり、こちらの方が映画との差や見所をコメントしています。私は原作は未読。