舞台「かもめ」 感想2013/09/26 13:00

@シアターコクーン ゆXA列(最前列) センターブロック

素晴らしかった。多分、自分で戯曲を読んだだけでは、ただのシビアな暗い戯曲にしか感じられなかっただろう。
挿入される音楽や舞台美術は、ケラさんらしかった。さらにケラさんらしさを感じたのは、戯曲の行間から笑いを拾い上げていたこと。お陰で厳しい戯曲だったけれど、楽しめた。
役者さんでは生田くんと蒼井優ちゃんがよかった。蒼井優ちゃんは、五右衛門の時より痩せていて、顔は小さく遠目からも身体バランスの良さが際立っていた。その彼女が後半鬼気迫る様相と気迫を見せるのだ。涙を流しながら…。夢見がちだった少女が、現実の厳しさの中で己を己たらしめる気概を言葉にするシーン。彼女の人生はその後も楽ではないと容易に想像できるのに、「女優」という仕事を唯一の拠り所にするのだ。自分を「かもめ」だといい、自分を「女優」だというその様、これが観れただけで、今日は満足でした。
生田くんも狂気を見せるシーンが印象に残っている。大竹さんは、荷造りした荷から飛び降り、生田くんと会話するシーン、萬歳さんを自分の元に留め置く説得をするシーン、いずれも可笑しく、さすが笑いのセンスに元旦那さんが惚れただけのことはある。
浅野さん、山崎さんなど他のキャストも素晴らしかった。

舞台「祈りと怪物」 感想2012/12/29 18:30

@シアターコクーン B列

X列があったので、実質5列目でした。視界良好。
新感線からのハシゴだったので自分的に感度が非常に不安だったのですが、十分ぞわぞわっとしました。
他人の痛みに鈍感なウィルヴィルの市長とその娘たち。己の欲望にとても忠実だった。彼らは「怪物」の象徴だったのではないかな。対する民衆はその救いのない世界で「祈り」の対象を見出す。

出色は大倉さん、セリフの強弱や間、ほかの人には真似のできない素晴らしいパッキオを観ることができました。蜷川さんverでは誰がこれをやるのか心配になりました。木野花さんも、同一人物が演じているなんて途中まで気が付きませんでした。そのくらい姉妹を演じ分けていた。パスカルズの生演奏も良かった。ライブでした^^。舞台美術はとてもケラさんテイストなものでした。
4時間10分の長丁場、そうそう選択できる戯曲ではなので観れたことに感謝。

『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~』 記事2012/09/14 20:08

チケットぴあ チラシメイキング記事

以下、一部記事を抜粋

 現在、脚本執筆中のKERAに話を訊くと、「この脚本を蜷川さんにも演出していただく、という意識はやっぱりずっとある。実は一度蜷川さんとお会いして話したんだけど、その時の話は申し訳ないことに全く活かされてない」と苦笑。
 「いつもならこのセリフはこの役者ならこんな言い方をするだろうというシミュレートが頭の中にできているけれど、今回はあて書きをしていない。たとえば犬山イヌコが演じる役を蜷川さんバージョンでは伊藤蘭さんが演じる。そういう全然違うタイプの人が発するセリフをどちらにも寄せ過ぎず、ということをずっと考えていますね」と話す。まだ全貌の見えないこの作品がどんな形で目の前に現れるのか、年末が楽しみだ。

舞台「百年の秘密」 感想2012/06/09 17:00

りゅーとぴあ 4列22番

 とっても見応えのある良い舞台でした。
 まず、舞台の使い方が面白かった。ぐるりと壁面で囲み、壁面には多数の窓と扉。中央には大木。舞台上には屋内用のソファとテーブル、屋外用の椅子とテーブルが置かれ、時代が変わるごとに配置を少しずつ変えていた。
 同じタイミングで屋内と屋外が表現されるので、同じ舞台に立っていても屋内の人間は屋外の人間を認識しない。逆もまた然り。
 具象の舞台装置は好きではないのだけれど、不思議とケラさん演出の舞台ではそれを感じない。ファンタジー性のある装飾というか、他と何が違うのか分からないけれど「東京月光魔曲」「黴菌」「百年の秘密」どの舞台装置も好き。

 お話は、ケラさんのつぶやきから年代が交錯し、複雑なようだったので、戯曲を読んでから観劇しました。なので、戯曲を読んだときの屋内と屋外の場面転換の多さや、時代の表現など、演出上の疑問を抱えたうえで観ました。結果は圧巻でした。ケラさんの舞台の映像の使い方、独特で大好きです。
 人は生まれて、いろいろ経験して死んでいく。昔からその繰り返しなんだよといっているような舞台でした。
 個人的には、あの木の声を表現した音はなくて、観る側の想像に任せたほうが良かった気はしました。

 大倉さん、背は高く顔は小さいし、手足は長い。本当に舞台栄えのする役者さんです。
 彼を見ていて思ったのが、役者さんの人選について。この喋り方や仕草をするのは、大倉さんならではだということ。ほかの役者さんがやったら、他の話し方や仕草、ともすると人間性まで違って見えるかもしれない。
 役者さんは容れ物で、そこに役が入るのだとは思うけれど、どういう人物造形をして欲しいかが決まっていれば、自ずと出演して欲しい俳優って決まるのかなと思ってしまった。
 今までは、役者さんは別の人になるのだから、容姿や声以外、そう大きな違いはないのではないかと思っていたのだけれど、やっぱり誰が演じるかはとても大きな問題なのだと改めて思いました。

 最後、アンコールにケラさん登場!!!!
 すっごい、すっごい嬉しかったです。

「奥様お尻をどうぞ」 感想2011/08/27 13:00

劇場:下北沢 本多劇場 2列18番

 演劇ぶっくの古田さんのインタビューを読む限り、決して面白そうに読めなかった。「ここらで一発怒られておこうと思った」という台詞からは、実験的で分かりにくくて、お前らになんか分かるもんか的な”怒られる”の意味かと思って行くかどうか真剣に悩んでました。しか~し!観劇前にLUNARさんのHPを読んだら、もう、すっごく楽しみでどこまでばかばかしい舞台なんだろうと期待に胸膨らんでしまいました。
 cube-HPを見て、おぉ~、やってるやってるとうれしくなりました。

 まず、生で大倉さんを拝見したのは今回が初めて。思っていた以上に背が高く、顔が小さい!私の大好きな鍛えた感のある上腕二頭筋は、とってもGOODでした。
 映画「ピンポン」のアクマ役で初めて知って、以後ケラさんの「東京月光魔曲」の探偵役をDVDで観て、いいなぁ~とは思っていましたが、今回惚れました。いい役者さんですねぇ。とても個性的。「独白シーンってあんま経験ないから」と言って(アドリブだと思う)誤魔化しているところすら彼らしくて良かった。大倉さんにしかできない人物造形だなぁと思ったんですよね。そういえば、ドラマ「デカワンコ」にも出ていてうれしかった記憶が・・・。

 劇全体は、笑えました。本当に元気をもらえた。面白いと思うことを何の脈絡もなく羅列したような感じ。
 ケラさんらしい映像の使い方もあったりして、行ってよかったです。
 劇場は、初めての本多劇場(386席)。経年を感じさせる、味のある劇場でした。西口から回って行ったので、裏のショッピングセンターを通り抜けていきました。手書きで”本多劇場へはこのまま真っ直ぐ”みたいな貼紙もあって、おもしろかったです。
 古田さんは、「たいこどんどん」で痩せてから、全然リバウンドしていなかった。でも、彼の面白さは小栗君とやったTV「夢をかなえるゾウ」のガネーシャ役が一番好きかな。

オマケ:今回、東京へ着くなり「眠い」&「何かいる感じ」&「三半規管が狂って、うまく歩けないし、周囲の認識も努力が要る状況」でした。お盆の時(東京じゃないけど)もそうだったんですよね。
 お陰で、駅で人と頭ガチンコしてしまいました。相手の方、ごめんなさい。痛かったろうなぁ。結構、いい感じにぶつかったから。

私の好きなもの遍歴2011/05/28 22:36

現在の好きなもの遍歴(忘れないために)

NHK セカンドバージンの長谷川博己 → 舞台 黴菌
  ↓                  ↓        ↓
舞台 カリギュラ         カリギュラ    ケラさん
  ↓                  ↓
蜷川幸雄              小栗旬
 ↓                   ↓
シェイクスピアシリーズ    花より男子、花より男子2ほか
ムサシ              イケパラ   夢をかなえるゾウ
 ↓                   ↓         ↓
井上ひさし、辻萬長       生田斗真    古田新太
                          ↓(新感線IZO)
                         森田剛


以上により舞台は

 森田剛;金閣寺 7/22,23 in NY
 蜷川幸雄:血の婚礼 8/6
 ケラリーノサンドロビッチ、古田新太:奥様お尻をどうぞ 8/26
 小栗旬:髑髏城の7人 9月または10月(チケット確保未)

の予定が決まっております。
 う~ん、自分が舞台にはまるとは思ってなかった。
 しかも、NYの金閣寺の出来如何によっては宮本亜門さんまで視野に入って来そう。ひぇ~。


 基本、舞台でマイクを使う新感線は好きではないですが、IZOは森田君の書き込み評価が高かったのと、2010年蜷川さんの舞台に出ていたので、演技を見てみたくて思わずDVDを買ってしまった次第。そしてNY。
 そして、すごく近くに小栗旬の長年のファンがいることが発覚し、髑髏城を一緒に行くことになってしまった。チケットとれるといいな。


あと、映画でこれから見る予定なのが
 小栗君のロングインタビュー記載のプラスアクト(本)からコメディ1本見つけた
 コメディ:「大木家のたのしい旅行 新婚地獄偏」
そのほか
 小栗旬:「岳」
 他の方のお勧め:「8月の蝉」

音楽「大木家のたのしい旅行 新婚地獄偏」の主題歌から
 →TRIPLANE

 と、どんどん芸能関係の興味の幅が広がっている。今までぜんっぜん興味なかったのに・・・。
 ただし、TV「鈴木先生:長谷川博己」は途中で合わなくて見れなくなった。


 もともと、カリギュラをDVDで見た後、天地人の石田三成とカリギュラが同一人と気づかず、告らせ屋(古田さんねらい)を見ても「あれ、このハーフの人どこかで・・・。(イケパラに出てた)」というボケっぷり。
 岡田君が今度「宇宙少年」で小栗君と競演するのも、公式HPとか見ても”=イケパラ”にならなくて全然気がつかなかった。
 よくよく見ると、花キミに出ていた役者さんでこの後売れたのって、岡田君と城田君、途中リタイアしたけど水嶋君。結構いい役者さん出ていたんだと実感。お話自体はおバカだったけど、役者さんは確かに若いエネルギーと一生懸命さが画面から感じられて良かった。生田君のコメディセンスもこの時に発見できたしね。

 今度、森田君が悪いキャラ、生田君が笑いキャラのドラマ誰か作ってくれないかなぁ。安っぽい脚本じゃなく、映画「告白」くらい良い脚本で・・・って無理だよなぁ(どんな脚本だよっ)。
 あと、舞台では蜷川さん演出でハムレットを
ハムレット:勝地涼、オフィーリア:多部未華子 のキャストで見てみたいなぁ。

「黴菌」観てきました2010/12/23 13:00

劇場:シアターコクーン
時間:13時開演
席:最前列 9番or10番だったと思う(セットの椅子のまん前だったため、椅子の陰で行われていることは全く見えなかった)

 NHK、セカンドバージンの長谷川博己さんにノックアウトされ、本物見たさに初めて舞台を観にいきました。
 事前にご覧になった方のHPを参考に、あらすじを了解済みの上観れたので、例え視界の良くない席でも十分楽しめました。

 長谷川さん、本当にいい声でした。TVほどタイトな服でなかったため、食べてるかぁというツッコミを入れたくなる感じはありませんでした。
 ほかの役者さん達もすっごく良かったです。結果ずいぶん笑った気がします。

 これをきっかけに、私の舞台感激(観劇)人生がスタート。本当に申し訳ないんですが、ケラさんの存在もここではじめて知りました。
 良い戯曲を書き、良い演出をする方がいるもんだとうれしくなりました。

 後日、「悲劇喜劇 2月号」で戯曲を読みました。この文字があの舞台になるかと思ったら、やっぱりあの世界に生きる人たちって特別なんだと思ってしまいました。