舞台「開幕驚奇復讐譚」 感想 ― 2011/10/22 20:35

国立劇場 大劇場 6列20番
開幕驚奇復讐譚、観てきました。
最高の席でした。花道で役者さんが見得を切るすぐ近く。舞台脇の下座音楽、上手の唄や三味線もよく聞こえ、そしてなにより、場が始まるときに焚かれるお香の良く届くこと。
いのうえ歌舞伎を観たとき、元になっている歌舞伎(髑髏城の元という意味ではありません)ってどんなだったっけって思っていたんです。以前歌舞伎を見たときの記憶は殆どない。役者さんが誰だったかも記憶にない。ただ、荒事と芝居もののダイジェストの組み合わせだったことしか覚えていない。しかし、前に蜷川さんの舞台に出ていた役者さんのインタビュー本で、尾上菊之助さんの真摯な考え方を読み、演劇本でその立ち姿の美しさに胸をドキュ~ンと撃たれたので、この演目を選んでみました。
それに、以前舞台「たいこどんどん」を古田さん目当てで観たとき、橋之助さんの立ち姿やしぐさの美しさが印象に強かったから。もしかしたら、観た演目が自分の好みでなかったがために、素敵な世界を見落としているのなら悔しいと思ったんです。
全体的には歌舞伎の好きな部分と嫌いな部分が分かってよかった。
《好きなところ》
1.下座音楽。今回舞台後半で、菊之助さんが立ち回りをするんですが、そこでの音楽がメチャメチャ格好良かった。それ以外でも、音楽の入り方が生なのですごい贅沢感があった。いい音でした。
2.ツケ。やっぱり、生の音はいいです。
3.場が始まったときのお香の香り。場を清めるという日本古来の考えが残っているのが分かってうれしかった。これは2階席、いや、1階席でも舞台下座側から離れれば分からないことだと思った。
《嫌いなところ》
1.台詞のテンポがゆっくり。ときどきタルく感じた。ほんの少し早口にしたほうが、舞台全体に活気が出ると思うんですが・・・。
2.殺陣がチャラい。あれじゃあ、殺陣を見せるっていう感じは皆無。せっかく日舞をやって、腰を落として動くことができる身体を持った役者さんばかりなのにもったいない。様式美を重視して、血湧き肉踊る興奮を捨て去っている気がする。
役者さんでは、まず時蔵さん!いやぁ~、あの変わり身の早いキャラ、笑えました。最初、夫に諫言するほどしっかりした奥方だったのに・・・。ほんっと、良かったです。ヘタをすると、人物造形失敗しそうな役だったのにすごいです。次に、尾上松緑さんが良かった。もともと面相が目の大きな方で、役にぴったり。しかも、声のとおりが良かった。あと、中村梅枝さんの若侍がすっきりしていて良かったです。
菊之助さんは、小夜二郎のときが良かったですね。やっぱり、振る舞いの綺麗な役者さんでした。
両宙吊りが話題になっていましたが、私的にはどうでもいい部分でした。
正直、開演に間に合うかどうかドキドキだった。だって、駅に着いたら新幹線動いていなかったから。車輌故障で、50分は待った。結果は20分前くらいに劇場に到着できたので、メデタシ×2でした。舞台全体としては、観に行って良かったです。
これを観た後、ワカドクロが無性に観たくなった。あの迸る若者の情熱とゆらぎ。歌舞伎にはないな。いのうえ歌舞伎ならでは、いや、あのキャストならではだったのかもしれない。中島かずき・電人Nでも、しみじみ書いてますもんね。後になって、じわじわとボディーブローのように効いてくる舞台です。まだ、サントラ聴いてます。
開幕驚奇復讐譚、観てきました。
最高の席でした。花道で役者さんが見得を切るすぐ近く。舞台脇の下座音楽、上手の唄や三味線もよく聞こえ、そしてなにより、場が始まるときに焚かれるお香の良く届くこと。
いのうえ歌舞伎を観たとき、元になっている歌舞伎(髑髏城の元という意味ではありません)ってどんなだったっけって思っていたんです。以前歌舞伎を見たときの記憶は殆どない。役者さんが誰だったかも記憶にない。ただ、荒事と芝居もののダイジェストの組み合わせだったことしか覚えていない。しかし、前に蜷川さんの舞台に出ていた役者さんのインタビュー本で、尾上菊之助さんの真摯な考え方を読み、演劇本でその立ち姿の美しさに胸をドキュ~ンと撃たれたので、この演目を選んでみました。
それに、以前舞台「たいこどんどん」を古田さん目当てで観たとき、橋之助さんの立ち姿やしぐさの美しさが印象に強かったから。もしかしたら、観た演目が自分の好みでなかったがために、素敵な世界を見落としているのなら悔しいと思ったんです。
全体的には歌舞伎の好きな部分と嫌いな部分が分かってよかった。
《好きなところ》
1.下座音楽。今回舞台後半で、菊之助さんが立ち回りをするんですが、そこでの音楽がメチャメチャ格好良かった。それ以外でも、音楽の入り方が生なのですごい贅沢感があった。いい音でした。
2.ツケ。やっぱり、生の音はいいです。
3.場が始まったときのお香の香り。場を清めるという日本古来の考えが残っているのが分かってうれしかった。これは2階席、いや、1階席でも舞台下座側から離れれば分からないことだと思った。
《嫌いなところ》
1.台詞のテンポがゆっくり。ときどきタルく感じた。ほんの少し早口にしたほうが、舞台全体に活気が出ると思うんですが・・・。
2.殺陣がチャラい。あれじゃあ、殺陣を見せるっていう感じは皆無。せっかく日舞をやって、腰を落として動くことができる身体を持った役者さんばかりなのにもったいない。様式美を重視して、血湧き肉踊る興奮を捨て去っている気がする。
役者さんでは、まず時蔵さん!いやぁ~、あの変わり身の早いキャラ、笑えました。最初、夫に諫言するほどしっかりした奥方だったのに・・・。ほんっと、良かったです。ヘタをすると、人物造形失敗しそうな役だったのにすごいです。次に、尾上松緑さんが良かった。もともと面相が目の大きな方で、役にぴったり。しかも、声のとおりが良かった。あと、中村梅枝さんの若侍がすっきりしていて良かったです。
菊之助さんは、小夜二郎のときが良かったですね。やっぱり、振る舞いの綺麗な役者さんでした。
両宙吊りが話題になっていましたが、私的にはどうでもいい部分でした。
正直、開演に間に合うかどうかドキドキだった。だって、駅に着いたら新幹線動いていなかったから。車輌故障で、50分は待った。結果は20分前くらいに劇場に到着できたので、メデタシ×2でした。舞台全体としては、観に行って良かったです。
これを観た後、ワカドクロが無性に観たくなった。あの迸る若者の情熱とゆらぎ。歌舞伎にはないな。いのうえ歌舞伎ならでは、いや、あのキャストならではだったのかもしれない。中島かずき・電人Nでも、しみじみ書いてますもんね。後になって、じわじわとボディーブローのように効いてくる舞台です。まだ、サントラ聴いてます。
本「R2C2」 感想 ― 2011/10/22 22:41

舞台「R2C2」関連本が出ていることを発見したので、買ってみました。
いやぁ、おもしろい!!本当はDVDで観たいけど、この本とCDでも十分笑えます。戯曲が載っているので、戯曲を読んだ後にCDを聴くと、ほぼ場面の想像がつきます。
個人的には、森山くんの声が聴け、さらにコメディって言うのがもう嬉しすぎて、脳内歓喜指数やばいです。
あと、本を見て驚いたんですが、阿部サダヲさん、どの写真のショットも絵になってる。これってすごく難しいと思う。どのタイミングで取られても絵になる形や表情をとっているなんて、歌舞伎のような型ものでもなければ、普通ありえないと思う。すごい役者。
いやぁ、おもしろい!!本当はDVDで観たいけど、この本とCDでも十分笑えます。戯曲が載っているので、戯曲を読んだ後にCDを聴くと、ほぼ場面の想像がつきます。
個人的には、森山くんの声が聴け、さらにコメディって言うのがもう嬉しすぎて、脳内歓喜指数やばいです。
あと、本を見て驚いたんですが、阿部サダヲさん、どの写真のショットも絵になってる。これってすごく難しいと思う。どのタイミングで取られても絵になる形や表情をとっているなんて、歌舞伎のような型ものでもなければ、普通ありえないと思う。すごい役者。
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