本「血の婚礼」 感想2011/11/01 22:33

 森山くんが出ていた「血の婚礼」DVDを手に入れたので、まず戯曲を読みました。
 ロルカが詩人でもあったため、とても暗示的な歌?台詞?の多い戯曲だった。スペインの強い光と乾いた土、濃厚な感情、土着的な血の匂いのするお話だった。フラメンコの生まれた土地らしい雰囲気を持った戯曲だった。何ていっても、カルメンを生んだ土地だものね。
 しかし、戯曲は頭を使わないとちっとも面白くないものでした。話を初めから”ナイフ”という単語が全編を暗示する。想像力を駆使して余白を自分で埋めないと、物語がちっとも弾まない。演出によってどうにでも変化しそうな本・・・。
 アランフェス協奏曲を聴きながら読んでみればよかったかな。

本「R2C2」 感想2011/10/22 22:41

 舞台「R2C2」関連本が出ていることを発見したので、買ってみました。
 いやぁ、おもしろい!!本当はDVDで観たいけど、この本とCDでも十分笑えます。戯曲が載っているので、戯曲を読んだ後にCDを聴くと、ほぼ場面の想像がつきます。
 個人的には、森山くんの声が聴け、さらにコメディって言うのがもう嬉しすぎて、脳内歓喜指数やばいです。
 あと、本を見て驚いたんですが、阿部サダヲさん、どの写真のショットも絵になってる。これってすごく難しいと思う。どのタイミングで取られても絵になる形や表情をとっているなんて、歌舞伎のような型ものでもなければ、普通ありえないと思う。すごい役者。

本「セイジ」 感想2011/10/02 15:11

 2012年公開の「セイジ」に森山くんが出ているという事で、原作を読みました。
 文体は特筆すべきことはなし。内容は・・・、文章だけなら避けたい内容でした。女の子はセイジの行為に救われるんですが、読むだけだとスプラッタシーンが頭に浮かんで、女の子が救われる心情の変化についていけない。一体どんな映像になっているんだろう。っていうか、公開日がずれたのって、モテキとかぶりそうだったからではないだろうか。クランクアップはこちらの映画のほうが早かったはずだし。

 森山くんは、一体どんな「僕」を作り上げたんだろう。私が小説を読む限り、傍観者であり、「僕」の心情はあまり書かれていない。ただ、目の前に起こった事を報告することに終始しているように読めた。ただ、友人から自転車を無理やり預けられて、それでフラッと旅に出てしまえる人間であり、女の子が幼稚園の先生の卵になった事を知り彼女に会いに行ける人という以外、鍵となる描写がなかった気がする。

監督 大根仁著「モテ記」 感想2011/10/02 14:20

 すでに多くの方が読んで、感想をアップしている。
 文句なくおもしろかった。映画や舞台を観た後にその台本・戯曲を読むのが好き。あぁ~、ここはあの役者さんはこういう風に言っていたなぁとか、あぁ、あんな演出してたなぁとか思い出しながら読むのがすき・・・。
 これを読むと、大根さんがいかにテレビ版を引きずっていたかが分かる。私的には、映画はまったく別物で、テレビの女子を引きずってほしくなかったので良かった。

 台本を読んでいて気づいたのだけれど、宣伝で使われている写真でカットされているところがぽちぽち散見される。クランクアップから公開までの日がなかったせいらしい。
 まず、るみ子とのデートがそっくりカット。二人カラオケもずいぶん編集したのか、宣伝に使ったショットがどこだったか記憶にない。そして、台本を読んでいて強烈に思い出したのは、意外とるみ子がからんでいる場面だった。幸世に「あのっ」って言われて、みゆきとるみ子の二人が振り返るシーン、るみ子が墨さんに「正確だったでしょ」と聞かれて「そうですね」と微妙な表情で答えるところ、そして、るみ子が牛丼を食べて吹っ切れた顔をするところ。麻生さん、いい役者さんなんだなと思った。それから、幸世がみゆきにフラれるシーン、その1、幸世がぬれて部屋に入ったとき「あのぅ、何か拭くもの・・・」っていうのが森山くんのアドリブらしいということが分かった。その2、幸世がみゆきに「オレの事すきだった?」と聞かれみゆきが頷き、幸世が彼女に「ありがと」と言うところがカットされていた気がする。そして「幸世君じゃ成長できない。」というみゆきの台詞に変わっていた。自分の記憶に自信ないけど。でも、あの変更があったからフェスでの二人の追いかけっこが活きる気がした。特に幸世の心情に共感できた。「ありがと」って言っちゃったら、再びみゆきを追いかけられない気がした。

 この本、大根さん書くの大変だったと思います。出演した役者さんもネタバレみたいに記載される事に抵抗もあるかもしれない。でも、ものを作り上げる情熱や、それにかかわる人の一生懸命さが伝わって、本当にいい本だった。何回か読み返したいです。この本、書いてくれた監督、そして出版してくれた扶桑社に感謝です!

小説「髑髏城の七人」 感想2011/09/05 19:00

 舞台「髑髏城の七人」を観にいく前に、あらすじとして覚えておきたくて同戯曲を元にした小説を読みました。
 とりあえず、2004年時点の小説。正直、小説としては物足りなかったです。

?1 天魔王と手を組んだ北条が全く出てこない。
?2 蘭丸が髑髏城で寝返った原因である信長との関わりが殆どない。
?3 天魔王が髑髏城で、沙霧と会った時、1度”ましら衆”と言って捨之介ではないと見破られているのに、再度会った時に再び”ましら衆”と言った。こんな墓穴、人心を操るのがうまい人のすることか?

 っとまあ、疑問はいくつかあった。しかし、今回は舞台の前情報として読んだので、まあ、こんなものかと納得しました。

 問題はここからです。この小説、今回1人2役の捨之介と天魔王が2人に変更になったり、2人が信長の元影武者でなくなっていたりしている。一体どういう舞台に仕上げているのか、役者は?演出は?興味は尽きません。
 もともと、劇団☆新感線の映像、マイクの使い方は舞台としては邪道だと思っている(特にマイク)。だから、映像が少なくエンターテイメント性に欠けるとすでにご覧になった方のHPを見たときは、やった~、とうれしくなりました。自分好みかもって・・・。今回はイケメン役者さんが沢山。CD、戯曲、公演パンフ・・・、散財しないように気を引き締めねば・・・(^^;)。

小説を出版したポプラ社のHPに、中島さんのインタビュー出ていました。